夜尿症(おねしょ)
5~6歳を過ぎ、膀胱機能が発達しているにもかかわらず、継続的に睡眠中に尿漏れをしてしまう状態を「夜尿症」と呼びます。いわゆる「おねしょ」です。「5歳を過ぎて1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」と定義されています。
多くは年齢を重ねるごとに自然に治癒が進みます。小学校高学年における夜尿症は全体の5%と言われていますが、中には成人後にまで続いてしまう方がいらっしゃいます。また、成人後のストレスや出産を契機に突然夜尿症になってしまうケースも見られます。
「おねしょは子供がするもの」「恥ずかしい」となかなか相談できない方が多いようです。原因を特定し、食生活や生活リズムを整え、適切な治療薬を使用すれば、症状は改善できます。
お気軽にご相談ください。
夜尿症(おねしょ)の原因
夜尿症は、保護者様の育て方、お子様の性格を原因として起こるものではありません。
以下のような原因が複数重なって起こるものです。
- 睡眠中に膀胱が一杯になっても尿意で目を覚ませない(覚醒障害)
- 膀胱の容量が不十分、ある程度の尿が溜まると収縮し排尿してしまう(膀胱の未発達)
- 夜間の尿量が異常に多い(夜間多尿)
夜尿症(おねしょ)の治療
大阪市中央区北浜の山口あきこクリニックでは、患者様ごとの夜尿症の原因を調べ、その原因に応じた適切な治療法をご提案しております。
食生活や生活リズムを整えるだけで、夜尿症が改善されるケースもあります。それだけで効果が不十分である場合には、内服治療を行います。夜間の尿量を減少させる作用を持つ薬剤を、就眠直前に服用していただきます。また、膀胱をリラックスさせて容量を増やす「抗コリン薬」を使用することもあります。
注意点
- 便秘は、膀胱の容量を小さくすることがありますので、便秘が起こらないようにしてください。
- 味の濃い物を食べると、水分も多く摂ってしまいます。夜間多尿の傾向がある場合には、塩分コントロールも大切です。
- 夜尿回避のために夜中にお子様を起こしてトイレに行かせる方法は、短期的な効果が認められている一方、長期的な効果ははっきりと認められておりません。特にお子様が起こされることにストレスに感じている場合や、保護者様が肉体的負担を感じている場合には、治療を受けられることをお勧めします。