おしっこが漏れる(尿失禁・尿漏れ)
自らの意志と関係なく尿が漏れてしまい、その結果として社会的・衛生的に支障をきたすものを「尿失禁」と呼びます。(医学用語の定義としては、尿はごく少量でも漏れたら「尿漏れ」です。)
お悩みの方が多いにも関わらず、「恥ずかしい」「年齢のせいだから治らない」と我慢され、なかなかご相談に至らない実態があるようです。40歳以上の女性の3人に1人は、なんらかの尿失禁を経験しているという報告があります。直接命にかかわるようなものではありませんが、外出、旅行、運動、さらには人との交流を躊躇うなどのQOL(生活の質)の低下を招きます。
大阪市中央区北浜の山口あきこクリニックでは、患者様お一人お一人に対して、尿失禁が起きてしまう状況や普段の様子をお伺いし、原因を探ることで、症状を改善していきます。
尿失禁の頻度や程度は人それぞれですが、少しでも「困ったな」と思うときには、お気軽にご相談ください。
女性特有の尿失禁
尿失禁は、女性に多く見られます。その原因には、女性特有の身体の構造があります。
尿は、腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に溜まり、尿道を通って排出されます。尿道は、周囲を尿道括約筋と呼ばれる筋肉に囲まれており、普段はこの尿道括約筋が閉じていることで尿は排出されません。
しかし女性は男性に比べて、尿道が短く、直線的な構造をしており、かつ尿道括約筋が弛緩しやすくなっています。それらに加え、膀胱、尿道、子宮を支える骨盤底筋群と靭帯が強くないため、尿失禁が起こりやすいのです。
さらに、妊娠、出産、更年期障害によるホルモンバランスの乱れ、肥満や便秘などによっても、尿失禁が起こりやすくなります。
このように、複合的な原因により、女性は男性よりも尿失禁を起こしやすい身体であると言えます。
尿失禁・尿漏れの原因
- 下半身の冷え
- 便秘症
- 急激な体重増加
- 加齢による膀胱機能低下
- 妊娠・出産・更年期障害によるホルモンバランスの乱れ
- 骨盤底筋群の緩み
- 脳出血、脳梗塞、パーキンソン病などの後遺症 など
可能性のある疾患
- 過活動膀胱(切迫性尿失禁)
- 切迫性尿失禁
- 腹圧性尿失禁
- 溢流性尿失禁
- 機能性尿失禁
- 神経因性膀胱 など
尿失禁・尿漏れの治療
まず、尿漏れの原因となる生活習慣を見直すために日々の排尿の記録をつけて頂きます。
行動療法
内服治療
内服によって改善を見込める方には内服薬を同時に処分します。
その他
投薬治療で改善しない腹圧性尿失禁に関しては、手術が適応になる場合もあります。
また、当クリニックでは、膣縮小用医療機器「Ultra Vera(ウルトラヴェラ)」による尿失禁の治療も行っております。尿失禁に加え、骨盤臓器脱、性交痛、膣の緩みにも効果があります。
Q&A
Q、くしゃみをしたり、お腹に力が入ると尿漏れに気づきます…
腹圧性尿失禁の可能性があります。病院の治療で症状が改善する可能性が高いので、泌尿器科にご相談ください。
Q、なぜ産後に尿漏れがひどくなるのでしょうか?
出産やその他急激な体重の増加、長年の便秘など、骨盤底筋に過度な力がかかる状況となり、腹圧性尿失禁にかかりやすくなるためです。出産後、尿漏れに気づいて、受診される方も多いです。
Q、尿失禁を予防する方法は?
一般的には、体重と便秘のコントロールが必要になります。また、骨盤底筋を鍛える骨盤底筋トレーニングが有効といわれています。
当院でも看護師により、基礎的な骨盤底筋トレーニングの指導を行っております。