生理不順・生理痛

生理不順・生理痛生理不順や生理痛は、女性特有のお悩みであり、「皆も我慢しているから」「仕事に支障が出るから」と未だに気軽に専門家に相談しにくい傾向があるようです。 痛みの現れ方や感じ方は人それぞれです。また、他の病気が潜んでいる可能性もあります。生理に伴うお悩みや苦痛を当たり前のものと思い過ぎず、どんどんと、お気軽にご相談ください。 大阪市中央区北浜の山口あきこクリニックでは、患者様の症状とライフスタイル、そしてご希望に合わせた治療をご提案しております。

生理不順

生理が一定の周期ごとに起こらないことを「生理不順」と呼びます。ストレスや環境の変化、ダイエットなど、身近な要因によって起こる症状です。
今後の妊娠の希望の有無により、治療方法が異なります。

正常な生理周期と変動日数の定義

生理周期が25~38日、変動日数が6日以内のものが、一般的に正常な生理とされています。

生理不順の原因

女性の生理は、脳視床下部からのホルモンの放出によって開始されます。脳視床下部は、ホルモンを分泌するだけでなく、自律神経のコントロールにおいても大きな働きを果たしています。ストレスや環境の変化などによって脳視床下部からのホルモンに分泌異常が生じると、生理周期が乱れます。その他、過度のダイエット、甲状腺の機能異常、薬剤投与などによっても、生理周期が乱れることがあります。
生理不順を抱えている方の約12%に、何らかの甲状腺機能異常が認められたという報告があります。中でも、甲状腺機能低下症の方の75%に、無月経や稀発月経(40日以上生理が来ないこと)が認められたということです。

生理不順の種類

稀発月経(生理周期が長い)

生理周期が40日以上あることを「稀発月経」と呼びます。脳の視床下部の機能の異常、多嚢胞性卵巣症候群、強いストレスなどが原因ではないかと言われています。

頻発月経(生理周期が短い)

生理周期が21日以内であり、この短期周期が3回以上続くことを「頻発月経」と呼びます。ホルモンバランスの乱れ、排卵障害が原因ではないかと言われています。

過長月経(生理期間が長い)

生理が8日以上続くことを「過長月経」と呼びます。脳視床下部、下垂体、卵巣などの異常が原因だと言われています。

過短月経(生理期間が短い)

生理が2日以内で終わってしまうことを「過短月経」と呼びます。過短月経が続く場合には、無排卵月経、子宮の発育不全、甲状腺機能異常が疑われます。

過多月経(経血が多い)

生理の際の経血が異常に多いことを「過多月経」と呼びます。
もともと経血量には個人差がありますが、目安としては11枚のナプキンで3時間ももたないようでしたら、過多月経を疑う必要があると言えます。そうなると、昼間でも夜用ナプキンを使ったり、夜中にナプキンを交換しなければならなくなります。重度の貧血に至ることもありますので、気になったときには早めにご相談ください。

過少月経(経血が少ない)

生理の際の経血が異常に少ないことを「過少月経」と呼びます。
一般的な経血は1回あたり20~140ml程度ですが、過少月経は20ml以下とされています。ちなみに、20ml以下というのは、ナプキンを取り替える必要もないくらいの、ちょうどおりもの程度の極少量です。

閉経前(更年期前)の生理不順

閉経前にも、生理不順は見られます。通常、35歳前後から卵巣の老化が始まります。閉経に向けての準備であり、正常なものとも言えますが、ホルモン異常や疾患の可能性もゼロではありませんので、お早目にご相談ください。

生理不順の治療

生理不順の治療生理不順の治療では、将来的に妊娠を希望されたときのために卵巣機能を保持する必要があります。問診や検査、生理不順の程度によって、ホルモン治療などを行います。
診察時には、直前の2~3か月間の基礎体温の記録をお持ちいただくと、治療の必要性をスムーズに判断しやすくなります。

生理痛

生理痛は、生理に伴い起こるさまざまな病的症状の総称である「月経困難症」のうちの代表的なものの1つです。
生理痛は、その名の通り、生理に伴う痛みのことを指します。毎月訪れる生理に強い痛みが伴うことは、精神的・身体的ストレスとなりますが、日常生活に支障をきたしたまま我慢している方も少なくありません。
※なお、生理痛以外の月経困難症の症状としては、腰痛、吐き気、頭痛、疲労感、脱力感、食欲不振、いらいら、下痢、憂うつなどが挙げられます。

生理痛の原因

プロスタグランジンによる子宮の収縮による痛み

生理のとき、子宮内膜が剥がれると、プロスタグランジンと呼ばれる物質が分泌されます。プロスタグランジンには子宮を収縮させる働きがありますが、この働きを強く感じてしまう場合に痛みを伴います。プロスタグランジンは、生理痛を引き起こすもっとも大きな原因だと言われています。

子宮頸管からの痛み

生理のとき、経血が子宮から外に出される過程で、子宮頸管と呼ばれる細い道を通ります。経血が子宮頸管を通過するときに、刺激(痛み)を感じます。

子宮の屈曲による痛み

子宮は、前方(お腹側)、もしくは後方(お尻側)に屈曲しています。この屈曲の程度が強いと、経血が子宮頸管を通過するときに痛みを伴います。

子宮内膜症による痛み

生理痛の原因となる代表的な疾患に「子宮内膜症」があります。女性の7~10%が罹患しており、時間と共に症状が悪化していくことが特徴です。
子宮内膜症が起こるメカニズムは未だ明らかになっていませんが、生理時に剥がれた子宮内膜の一部が、卵管を通じて骨盤に逆流していることが原因ではないかと言われています。

子宮筋腫による痛み

子宮に生じた筋腫により、子宮全体が大きくなり、子宮内腔が広くなると、プロスタグランジンの分泌量が増加します。子宮が大きく収縮することで、痛みを感じます。

生理痛の治療

生理痛の治療子宮内膜症に対しては、鎮痛剤による対処療法、ホルモン治療、手術などが存在します。子宮内膜症の状態や将来的な妊娠希望の有無などにより、それらを適切に使い分ける必要があります。
強い痛みが現れている場合には、鎮痛剤や低用量ピルなどの服用によって、症状を緩和します。

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